Antonio Gaudi Cornet
(1852-1926,Spain)
Armchair for the
Casa Calvet,
c,1898-1900
Carved oak construction
Designed for a specific site, this
chair was part of a greater decorative
scheme. Gaudi's interpretation of
Art Nouveau was more robust and
stylistically abstract than that of
his French and Belgian counterparts.








今回のシリーズでは、アールヌーボーな椅子たちをご紹介いたしましょう。8人の芸術家たちが登場します。みささんがよくご存じの方も多いはずです。

1895年パリに開店した美術品店「アールヌーボー」にその端を発するこの「新しい芸術」は、さまざまな分野、国々、人々に影響を与えました。金属加工を営む家に生まれたその男は、バルセロナで建築を学び、スペインにおけるアールヌーボーの先駆者として数多くの建築物を残し、サグラダ・ファミリア教会は100年以上を経た今もいまだに建築中といわれています。その男アントニオ・ガウディがカルヴェット邸のためにデザインしたのがこの椅子です。肘掛けなしのタイプもあります。

いかにもガウディらしいデザインですね。このカルヴェット邸も現存するならぜひ見学してみたいです。邸宅(というよりは、きっとスペインの城というイメージ?)はもちろんのこと、内装のひとつひとつにいたるまで、彼の息づかいが感じられるのでしょう。無垢の木でできているそうですから、僕的にはこの椅子の図面を渡された職人さんの気持ちをつい考えてしまいます。いったい完成させるのに、どれだけの日数と手間を要したのでしょうか。

右はその後、ガウディがバトリョ邸のためにデザインした、2脚の椅子が合体したベンチです。これ座ったときにお互いそっぽを向くようになっていますが、こちらのご夫婦、仲が悪かったのでしょうか?
Batllo bench,1906


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